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保険料の相場と節約術

火災保険の相場を住まい別に比較|料金の決まり方と節約のコツ

中村 敦子 / 更新:2026-06-24
火災保険の相場を住まい別に比較|料金の決まり方と節約のコツ
火災保険って結局いくらが相場なの?住まいによってバラバラで、自分の場合がさっぱり分からない…という相談を本当によく受けます。先に結論を言うと、火災保険に全国一律の相場はありません。

保険料は建物の構造・所在地・補償内容・保険金額・保険期間で決まります。これは損害保険料率算出機構が公表している算定の仕組みそのものです。

この記事では、一戸建て・マンション・賃貸の目安、築年数や構造による違い、水災や地震保険を付けたときの総額イメージ、そして節約と一括見積もりの手順までまとめました。FPとして住宅相談を12年やってきた私が、実際の試算例を交えて解説します。

火災保険の相場はいくら?住まい別の目安一覧

【完全攻略】後悔しない火災保険の選び方|補償はどこまで必要?地震保険は?戸建てのおすすめは?【最新版】
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まず押さえてほしいのは、公的に「平均はこの金額」と示された数字は存在しないという点です。損害保険料率算出機構も、料率は建物の構造や地域で異なるとしか説明していません。

なので、ここで挙げる金額はあくまで各保険会社の試算条件に基づく「例」です。自分の物件で必ず見積もりを取ってください。

一戸建て(東京都・鉄骨造・築10年)5年一括の場合

一戸建ては家財だけでなく建物全体を自分で守る必要があり、補償範囲が広い分マンションより高くなりがちです。

正直に言うと、一戸建ては付ける補償の選び方で金額が倍くらい動きます。水災を入れるかどうかが最大の分岐点です(詳しくは後半で具体額を出します)。

マンション(東京都・鉄骨造・築10年)5年一括の場合

マンションは構造が頑丈で、水災リスクも階層によって低くなるため、一戸建てより保険料が抑えられる傾向があります。

ソニー損保の試算例では、マンション(コンクリート造)で23,902円、マンション(鉄骨造)で27,119円という表示があります。これは同社の試算条件に基づく一例です。

賃貸(東京都・耐火構造)1年一括の場合

賃貸の場合、補償の中心は「家財」と「借家人賠償責任」です。建物はオーナーの保険でカバーされるためです。

金額は家財の保険金額をいくらに設定するかで変わります。一人暮らしで家財が少なければ低く、家族世帯で家電や家具が多ければ高くなります。

築年数別・構造別の相場比較表(木造・鉄骨・コンクリート)

構造の違いは保険料に直結します。燃えにくく壊れにくいほど安い、これが大原則です。下の表は地震保険料の目安で構造差を示したものです(火災保険本体の幅も同じ傾向になります)。

構造別 地震保険料の目安(1年・保険金額1,000万円あたり)
建物の構造と所在地で決まる。SBI損保の解説による目安。
建物タイプ保険料の目安
木造建物7,000円~22,000円程度
マンションなど11,000円~36,000円程度

同じ木造でも7,000円と22,000円では3倍以上の開き。これは所在地のリスク差によるものです。築年数は耐震性能の評価に関わるため、新しいほど割引が効きやすくなります。

火災保険料はどう決まる?相場を左右する要素

相場が分かりにくいのは、決まる要素が複数あって掛け合わせで金額が出るからです。前述の損害保険料率算出機構が示す通り、建物の構造・所在地・補償内容・保険期間が柱になります。

火災保険料はどう決まる?相場を左右する要素

順に見ていきます。ここを理解すると、見積もりの金額が高い理由・安い理由が自分で読めるようになります。

建物の構造級別による違い

火災保険では建物を構造級別で分けます。耐火性能が高いほど料率が低く、保険料が安くなります。

コンクリート造や耐火構造のマンションは最も安い区分、木造の一戸建ては高い区分になりやすい。同じ補償内容でも、ここで数倍の差が出ます。

建物の所在地とハザードマップの影響

所在地は地味に効きます。水害が多い地域、地震リスクの高い地域は料率が上がるからです。

私が相談者に必ず勧めているのは、契約前に自治体のハザードマップを見ること。川の近くや低地で水災リスクが高いなら、水災補償を外す判断は危険です。逆に高台のマンション上層階なら、水災を外して節約する選択も現実的です。

補償・特約の内容と保険金額の設定

火災保険は「建物」と「家財」を対象に加入するのが基本です。火災だけでなく、風災・水災・破損など、どこまで補償を付けるかで金額が大きく動きます。

特約を盛れば盛るほど安心ですが、その分高くなる。要らない補償を外せるかどうかが、節約の最初の一歩です。

再調達価額・新価・時価による保険金額の決め方

保険金額の設定方法には、新価(再調達価額)と時価の2つがあります。ここを間違えると、いざという時に足りません。

建物は再調達価額で設定するのが一般的です。これは「同じ建物をもう一度建てるのに必要な金額」のこと。時価で設定すると経年劣化分が引かれ、建て直せない事態になりかねません。私は再調達価額一択で勧めています。

補償内容で変わる相場:水災・風災・地震保険の有無

相場を左右する一番大きな変数が、この補償の有無です。同じ建物でも、付ける補償で総額がまるで変わります。

補償内容で変わる相場:水災・風災・地震保険の有無

保険クリニックの掲載例でも、火災保険に地震保険を付帯すると合計保険料が増加しています。どこまで備えるかは、リスクと予算のバランスで決めます。

水災・風災を付けた場合の料金差

水災補償は保険料を押し上げる要素として大きいです。逆に言えば、外せば下がる項目でもあります。

判断基準はシンプル。ハザードマップで浸水想定がある地域なら付ける、高台や上層階で水害リスクがほぼ無いなら外す。風災は屋根や窓への被害をカバーするので、戸建てでは外さない方がいいと考えています。

地震保険の必要性と火災保険とセットの総額イメージ

これは何度でも言いたい。地震による損害は火災保険単独では補償されません。地震保険は火災保険とセットでしか付けられません。

地震保険の保険金額は、火災保険の保険金額の30%~50%の範囲で設定します。上限は建物5,000万円、家財1,000万円です。

保険料は構造と所在地で決まり、木造で年7,000円~22,000円程度、マンションなどで11,000円~36,000円程度(保険金額1,000万円あたり)。火災保険にこれが上乗せされるイメージで総額を見てください。地震大国の日本で、私は基本セットを勧めます。

免責金額(自己負担額)の設定による影響

免責金額とは、損害が出たときに自分で負担する額のこと。これを高く設定すると、その分保険料は下がります。

小さな損害は自分で払う前提にして、大きな損害だけ保険で備える。割り切れる人には有効な節約手段です。ただし免責を高くしすぎて、いざ請求した時に自己負担が重くなる本末転倒には注意してください。

世帯・物件タイプ別の相場シミュレーション

中古一戸建ての火災保険の相場とは?保険料の決まり方や必要性を解説
中古一戸建ての火災保険の相場とは?保険料の決まり方や必要性を解説

同じ「火災保険」でも、新築か中古か、持ち家か賃貸かで考え方が変わります。ここは実務で相談者ごとに整理している視点をそのまま書きます。

金額そのものは見積もり次第ですが、「どこに注目すべきか」のパターンは共通しています。

新築と中古での違い

新築は耐震・耐火性能の評価が高く、築浅割引が効きやすい。保険料は抑えやすいです。

中古は築年数が進むほど条件が不利になりがち。ただし、構造が頑丈なマンションなら築年数の影響は戸建てほど大きくありません。中古の戸建ては、特に補償の取捨選択で差が出ます。

持ち家と賃貸での違い

持ち家は建物も家財も自分で守るので、保険金額が大きく相場も上がります。再調達価額の設定がそのまま効いてきます。

賃貸は建物がオーナー負担なので、家財と借家人賠償が中心。総額は持ち家よりかなり低くなります。

保険料が高くなる/安くなるケースの比較事例

どんな条件で上下するのか、ポイントを表にまとめました。自分がどちらに寄っているか確認してみてください。

保険料が高くなる/安くなる条件
項目保険料が安くなる保険料が高くなる
建物構造コンクリート・耐火構造木造
所在地水害・地震リスクの低い地域ハザードマップで高リスクの地域
補償範囲必要な補償に絞る水災・地震など全部付ける
免責金額高く設定ゼロ・低く設定
保険期間・支払長期一括払短期・分割払

見ての通り、コントロールできるのは右側の「補償範囲」「免責」「支払方法」です。構造と所在地は変えられないので、ここは割り切ります。

火災保険料を節約する4つの見直しポイント

相場を知ったら、次は無駄を削る番です。私が相談で必ずチェックする4つを順に挙げます。

火災保険料を節約する4つの見直しポイント

安さだけを追って必要な補償を外すのは反対ですが、要らないものに払い続けるのも違います。バランスが肝心です。

補償内容を見直す

最初に効くのが補償の見直しです。水害リスクのない立地なのに水災を付けっぱなし、というケースは本当に多い。

ハザードマップと照らし合わせ、要らない補償を外す。これだけで年間の保険料がはっきり下がります。

保険会社を見直す

参考純率は料率算出団体が出しますが、付加保険料率は各社が独自に設定します。だから同じ条件でも会社ごとに金額が違うのです。

つまり、同じ補償でも保険会社を変えるだけで安くなる余地がある。複数社を比べない手はありません。

保険期間・支払方法を見直す

火災保険は長期一括払にすると、年あたりの保険料が割安になります。5年一括などのまとめ払いが代表例です。

まとまった出費にはなりますが、トータルでは得。手元資金に余裕があるなら、長期一括を私は勧めます。

保険金額を見直す

保険金額は高すぎても低すぎてもダメ。過大だと払い過ぎ、過少だと足りません。

建物は再調達価額で適正に。家財は実際に持っている量に合わせる。賃貸で家財1,000万円分も無いのに高額設定、というのは見直し対象です。

複数社を比較して選ぶ手順と一括見積もりの活用法

前述の通り、付加保険料率は各社で違うので比較が効きます。ここでは私が実際にやっている比較の手順を書きます。

複数社を比較して選ぶ手順と一括見積もりの活用法

ポイントは、条件をそろえて比べること。バラバラの条件で見積もると金額の差が補償の差なのか料率の差なのか分からなくなります。

見積もりを比較する具体的なステップ

手順はこの順番が効率的です。同じ条件を全社に入れるのが鉄則です。

火災保険の見積もり比較ステップ
ステップやること
1建物構造・所在地・延床面積・築年数を確認する
2必要な補償をハザードマップを見て決める
3保険金額を再調達価額で設定する
4同じ条件で複数社の見積もりを取る
5保険料だけでなく補償範囲・免責も並べて比較する

一括見積もりサービスを使うと、この4と5が一度に進みます。ただし提示された最安だけで決めず、補償の中身を必ず横並びで確認してください。安いのは補償を削っているからかもしれません。

賃貸契約時に勧められる火災保険との料金比較

賃貸契約のとき、不動産会社でセットの火災保険を勧められること、よくありますよね。

正直に言うと、これは割高なことがあります。多くの場合、自分で家財保険を選んで加入できます。契約書に「指定の保険必須」と書かれていなければ、自分で比較して入る方が安く済むケースは珍しくありません。一度立ち止まって見積もりを取る価値があります。

火災保険料の値上げ・改定動向と今後の相場予測

参考純率は損害保険料率算出機構が、会員会社の契約・支払データを基に算出しています。自然災害の支払いが増えれば、純率も改定され保険料に反映されます。

具体的な改定率の数字はここでは断定しません。確かなのは、災害の増加が保険料を押し上げる方向に働くという構造です。長期契約で早めに固めておくのは、こうした改定リスクへの一つの備えになります。

知っておきたい火災保険の手続きと税金の扱い

火災保険選び完全版!〇〇を見落とすと火災事件でも火災保険1円もおりません。
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契約して終わりではありません。いざ被害に遭ったときの請求と、税金まわりも先に押さえておきましょう。

火災保険は再調達価額で建物を補償するのが基本、という前提を思い出してください。請求時の受け取り額もこの設定に左右されます。

保険金請求の流れと受け取り例

被害が出たら、まず保険会社に連絡。その後は流れに沿って進みます。

保険金請求の基本的な流れ
手順内容
1被害状況を写真などで記録する
2保険会社・代理店に連絡する
3必要書類を提出する
4保険会社による損害確認
5保険金が支払われる

コツは、被害直後の写真を残すこと。修理前に撮っておかないと損害の証明が難しくなります。台風後など、慌てて片付ける前に必ず撮影してください。

火災保険料控除や経費計上など税金面の扱い

よく聞かれるのが「火災保険料は控除になる?」という質問。現在、火災保険料そのものに所得控除はありません。

ただし地震保険料は地震保険料控除の対象です。また、賃貸経営など事業用の物件なら、火災保険料を経費計上できます。自宅か事業用かで扱いが変わる点は押さえておいてください。

担当代理店・扱者の調べ方

契約後、担当者が分からなくなったら証券を見ます。保険証券や契約内容の書類に、代理店名・連絡先が記載されています。

見当たらない場合は、保険会社のコールセンターに証券番号を伝えれば担当代理店を確認できます。

火災保険の相場に関するよくある質問

相談現場で特に多い質問をまとめました。前述の損害保険料率算出機構の仕組みを踏まえた回答です。

火災保険の相場に関するよくある質問

よくある質問

火災保険の相場とは?
全国一律の公的な平均額は示されていません。火災保険料は建物の構造・所在地・補償内容・保険金額・保険期間で決まるため、同じ住まいでも条件次第で金額が変わります。相場を知りたいなら、自分の物件条件で見積もりを取るのが一番確実です。
火災保険の相場の費用は?
保険会社の試算例では幅があります。ソニー損保の例では、マンション(コンクリート造)で23,902円、マンション(鉄骨造)で27,119円という表示があり、これは同社の試算条件に基づく一例です。地震保険を付けると、木造で年7,000円~22,000円程度(保険金額1,000万円あたり)などが上乗せされます。
火災保険の始め方は?
建物構造・所在地・延床面積・築年数を確認し、ハザードマップを見て必要な補償を決めます。建物の保険金額は再調達価額で設定し、同じ条件で複数社の見積もりを取って比較します。一括見積もりサービスを使うと効率的に候補を絞れます。

最後に一言。相場を調べる目的は「平均額を知ること」ではなく「自分に必要な補償を適正な料金で確保すること」です。まずはハザードマップを開いて、自分の物件で見積もりを取るところから始めてください。それが一番の近道です。

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中村 敦子

ファイナンシャルプランナー(AFP) ・ 住宅購入・保険相談の独立系FPとして10年以上の実務経験

FPとして住宅購入相談を数多く受けてきた経験から、火災保険・地震保険の見積もり比較や保険料の仕組みを実務目線で解説します。保険会社のパンフレットだけでなく、実際の契約事例や一括見積もりサービスを自ら試して情報を検証しています。

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